昆虫映画『アリのままでいたい』を観た

オオシマゼミを捕獲した僕

アリのままでいたい』は高品質な昆虫ドキュメンタリー

近所のGEOで子供向けDVDをレンタルしようと思い、キッズコーナーで物色していたときに出会った「アリのままでいたい」という安っちい駄洒落なタイトルの作品を見つけたので借りてみた。
結論としては、なかなか面白い内容の昆虫ドキュメンタリー映画だったので、レンタル期間中もう一回子供を抜きに観たいと思いました。
映像が綺麗で編集とナレーションもお金をかけているなという印象。タイトルとは裏腹に品質の高い内容でしたよ。ただ2歳4ヶ月の息子にはちょっと退屈だった模様(笑)


アリのままでいたい [ 鴨下潔 ]

ソテツにつくハナムグリ

一般的な幼児向け映像コンテンツと一線を画す

一般的な幼児・子供向けの映像コンテンツって、低予算で、画質が粗悪で、ストーリー性がなく、いろんな物をジャンジャン紹介するだけの垂れ流し映像だったりするのだけど、この映画『アリのままでいたい』は時間とお金をしっかりかけた、高品質な映像と内容だったのです。
ハイスピードカメラで撮影した昆虫たちのバトルシーン、羽を広げて飛び立つシーン、雨のしずくに打たれてダメージを受ける様子など、普段なかなか見ることのできない昆虫たちの様子がスローモーションでくっきりと観ることができるうえに構図と色合いが綺麗。
それもそのはず。昆虫写真家の栗林 慧(くりばやし さとし)氏が撮影総監督を努めた作品だったからだ。そんなことも知らずに借りた僕。だってタイトルがアレですから…ね…。

昆虫のバトルシーンは格闘技テレビ番組のよう

はじめに、カブトムシのサナギが土の中で羽化するシーンからストーリーが始まります。その後色々あって昆虫同士のバトルシーンです。ムシキングを思わせるようなCGで対戦者を紹介し、選手が決め技を繰り出すときはハイスピードカメラで撮影した映像のスローモーション再生。そして格闘技テレビ番組を思わせるDAIGOの迫力のあるナレーション。ちょっと演出に度が過ぎているようにも思えましたが、引き込まれる内容でなかなか面白い。映画の「ツカミ」の部分ですからね。
夏休み、映画館に集まった子供達のちょっと緊張した心を溶かすために、みんなが良く知っているムシキング風の演出でアイスブレイクといったところでしょうか。

ナントカバチ

カマキリの一生涯を追った映像はハンカチの用意を

カマキリが孵化し、様々な苦難を経て大人に成長して子孫を残して死んでゆくストーリーもあります。これもとにかく映像が綺麗で、ナレーションは女性の落ち着いた声。まるでヨーロッパの古城をめぐるテレビ番組を見ているような落ち着いた雰囲気で、カマキリのストーリーが進んでゆきます。
日本の里山が舞台になっているのですが、僕の住む沖縄では見ることのできない懐かしい風景なので、これもまた見どころのひとつとして数えられるでしょう。

オオシマゼミを捕獲した僕

昆虫マニアにはオススメできない

この映画『アリのままでいたい』は昆虫たちの生体を浅く広く、表面的に取り扱っているので、知識欲の深い昆虫マニアの人や研究者には向かない作品でしょう。
しかし一般的なレベルで昆虫好きの方には楽しめるんじゃないかな。と思います。いま人気の吉田羊のナレーションや福山雅治の歌も楽しめるので、そっち方面の方々もちょっと昆虫に興味があれば観てみて損はないと思いますよ。GEOレンタルだと1週間100円ぐらいですしね。

2歳児にもオススメできない

ウチの2歳4ヶ月男児は昆虫でも動物でもなく、車が大好き。いつもトミカのミニカーで遊んで、寝る前は窓の外に見える国道を行き来する車を見てから寝る習慣を持っています。
このDVDを観ている最中も「くるまみるー」と悲しい声を上げながらも、ミニカーで遊んだりしながら何とか最後まで再生することができたのです。
自分で昆虫を捕れるようになったら興味が湧くのでしょうが、まだ機敏に動き回れる年齢ではありません。僕が捕まえたセミもまだ怖くて触れませんし(笑)

羽化したばかりのオオゴマダラ

タイトル「アリのままでいたい」はヘンだよ

この昆虫映画のタイトル「アリのままでいたい」は、栗林さんが開発した「アリの目カメラ」が由来なんでしょうけど、映画のストーリーにアリはあまり関わってきませんし、何より全然アリ目線ではありません。
内容は素晴らしいのにタイトルで損をしているように思えるこの映画。昆虫を見るのもイヤ!昆虫の拡大が怖い!って人以外にはオススメできますよ。
あ、昆虫の裏側恐怖症の人も観てはいけません。初っ端で卒倒しますから。

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